白髪染めトリートメントは、頭皮や毛髪をケアしながら白髪を染める便利なアイテムですが、口コミでは「しっかり染まった!」という声と「全然染まらない!」という意見に大きく分かれており、本当の効果が分かりにくいですよね。
そこで、これまで40以上の白髪染めトリートメントをテストしてきたroccoGiRLのミッチー吉田が「染まらない」と言われる理由と原因をまとめました。
さらに、しっかり染める方法や、良く染まるおすすめアイテムも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
白髪染めトリートメントが「染まらない」と言われる理由と原因
『染まらない』原因5選
- ヘアカラーと比較して染まらない
- 毛先と比べて根本が染まらない
- 選んだ商品が染まりにくいアイテムだった
- 使い方が間違っている
- 髪質が染まりにくい
ヘアカラーと比較して染まらない
染毛料 | 染料の種類 | 染毛の原理 | ダメージ |
---|---|---|---|
ヘアカラー | 酸化染料 | 化学反応で染める | アレルギーの心配あり |
白髪染めトリートメント | HC染料 | キューティクルの隙間から毛髪内部に侵入して染める | ほとんどない |
塩基性染料 | 毛髪表面のマイナスイオンと吸着して染める | ほとんどない |
白髪染めトリートメントとヘアカラーは目的が同じでも、染料の働きが異なります。
ヘアカラーは酸化染料を用い、強い色合いを実現しますが、酸化染料が髪のタンパク質を酸化させてしまうためダメージを受けやすくなります。
一方、白髪染めトリートメントは酸化剤を使用せず、ダメージを抑えながら髪や頭皮をケアできます。
どちらを選ぶかは自分の髪質や好みによって決めましょう。
例えばレセカラートリートメントは、外箱に「意外と良く染まる」という注意書きが記載されています。
5回連続使用で徐々に目立たなくなるとある通り、1回で白髪を完全に染めるほど強力な染料は使用されていません。
毛髪や頭皮をいたわりながら染めるメリットがありますがヘアカラーと比べると染まりにくく、特にカラー履歴のない健康な髪は染まりにくいです。
白髪染めトリートメントは頭皮に優しい商品ですが、染色力はヘアカラーより控えめです。ヘアカラーと併用することで、簡単に1回でしっかり染めることができ、髪を傷めずに白髪をカバーすることができます。
白髪染めトリートメントのメリット・デメリットについて詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
毛先と比べて根本が染まらない
ビゲンカラートリートメントのダークブラウンで人毛白髪とブリーチ毛を染毛した結果がこちら。
まったく同じ商品・カラーを使って、同じ塗り方で15分の置き時間で染めてみました。
カラー履歴がある髪は、ブリーチ毛と同様によく染まります。
ただし、新しく伸びた毛髪と、過去にカラーしたことのある毛先では染まり方に違いがあります。これを知らないと、根元だけが染まらないという印象を受けてしまうことがあります。
また、使用する際に付属の手袋を使うことで、根元に塗りムラが生じることもあり、根元が染まりにくく感じる原因になっているようです。
この記事の後半で、良く染まる上手な使い方をまとめてあるので参考にしてくださいね。
ランキングサイトのレビューに注意
メーカーのアピールでもよく使われますが、カラー履歴のない白髪を1回でくっきりとした暗髪に染める白髪染めトリートメントは存在しません。
しかし、中にはブリーチを繰り返して白くなったブリーチ白髪を染めて、「白髪が1回でしっかり染まる!」とアピールするランキングサイトも存在します。
roccoGiRLでは、染毛テストにルールを設けて、なるべく実際の仕上がりに近いカラーをご確認いただけるよう心がけています。
RoccoGirlの染毛テスト方法について詳しくはこちら
選んだ商品が染まりにくいアイテムだった
商品によってかなり色味に差があるので、同じダークブラウンを選んでも違う色に仕上がります。
例えばビゲンはダークブラウンよりアッシュブラウンのほうが色が濃かったり、ウエラトーンが紫に染まったり、緑色に染まったアイテムもありました。
roccoGiRLでは、44種類以上の白髪染めトリートメントを191回以上、人毛白髪を用いた染毛テストで徹底的に検証しています。
一回で染まる白髪染めランキングも参考にしてみてくださいね。
- 【2024年最新版】1回目から染まる市販の白髪染めトリートメント11商品を比較|よく染まるのはコレ!
良く染まるアイテムをお探しなら
5色展開で、明るめから暗め、くすみ系のカラーにも対応したLPLPエッセンスヘアカラートリートメント。
染毛テストでは、ブリーチ毛だけでなく人毛白髪も1回目から染まりやすいと高く評価されました。
浸透促進成分の効果で染まりもよく、白髪染めトリートメントランキングでは殿堂入りを果たしたおすすめの商品です。
- 美容師が認める白髪染めトリートメントおすすめ23選ランキング|よく染まり頭皮に優しい究極のアイテムはコレ!
「たった5分で!」というメーカーの売り文句や「1回で良く染まる」という口コミほど染まらない
「1回5分で染まる」というメーカーは、ヘアカラーのつなぎに使うことを想定していることが多いです。
例えばビゲンカラートリートメントも「放置時間5分」と表記されていますが、よく見ると次のヘアカラーまで髪色キープ!との注意書きがあります。
裏にはしっかり「次のヘアカラーまでの合間に使えば、キレイな髪色をキープできます」との記載がありますね。
「3分で染まる」とアピールするドクターシーラボも、人毛白髪の15分染毛でこれぐらいの染まり方です。ヘアカラーの合間に使うのであれば3分で染まりそうですが、、、
「良く染まる」という口コミには注意
「良く染まる」という口コミを参考にする際には、『美容室でのカラーと併用していないか』を参考にしましょう。
ヘアカラーとの併用であれば染まるアイテムも、健康な生え際白髪があまり染まらないことは多々あります。
染まり具合の口コミを参考にする際は、他社製の白髪染めトリートメントと比較している口コミが参考になります。
「白髪染めトリートメントは染まりが悪い」という口コミもある中、実際にテストしてみると思った以上にしっかりと染まる商品もありました。
口コミはあくまでも参考程度にとらえ、自分自身の髪質や染めたい色味に合った商品を選びましょう。
ウェブサイトの染毛テスト結果も、使用する毛束の種類や撮影環境によって実際の仕上がりと異なることがあるため、注意が必要です。
使い方が間違っている
使い方のよくある間違い5選
- 薄い色を選んで染めている
- 置き時間が短い
- 使用量が少なすぎる
- 使用回数が少なすぎる
- クシで染料をすき取っている
白髪染めトリートメントは髪色を明るく染めることができないので、元の髪色よりも暗めの色を選びましょう。
通常のトリートメントと同じように使うと、十分な染毛力が発揮されません。たっぷり使用量を使って、白髪以外の部分にも行き渡るように塗り、特に白髪が気になる部分にはたっぷりと塗ってください。
マイナチュレの1回分はセミロングで35g。ブラシで小分けに取りながら使いますが、画像の量ぐらいは必要です。
また、低温の環境では染まりが悪くなるため、ヘアキャップやタオルで巻いて保温すると効果的です。
あとで紹介する使い方のコツをよく読んで、正しく使ってくださいね。
染めたあとのケアに問題がある
白髪染めトリートメントは洗浄力の強いシャンプーを使うと色落ちが早いです。
どんなに上手に色を乗せても、洗浄力の強い石鹸系シャンプーや、高級アルコール系の洗浄剤(ラウレス硫酸〜〜〜、アルキル硫酸〜〜〜、硫酸エステル〜〜〜など)が多く配合されているシャンプーを使用してしまうと、数回の洗浄で色が落ちてしまいます。
髪が濡れたままだと染料がどんどん流れてしまうため、すすいだあとは素早くタオルドライし、頭皮から順にドライヤーでしっかり乾かすことが重要です。
また、ドライヤーで髪を乾かす前に育毛剤を使う場合は、髪が濡れた状態をなるべく短くすることが良い染まりを維持するために必要なポイントです。
髪質が染まりにくい
白髪染めトリートメントの染料は、キューティクルの隙間から侵入する低分子な染料と、髪表面にイオン吸着する染料の組み合わせ。
剛毛はキューティクルが厚く隙間がないので染まりにくく、ヘアカラーの履歴がなければより染まりにくいです。
剛毛さんでもヘアカラーやブリーチ後の髪質であれば染まりやすくなるので、2ヶ月に1回程度はヘアカラーで染めてあげて、カラー間のつなぎに使用するのがおすすめです。
良く染まる!白髪染めトリートメントの使い方
白髪をぼかす程度で染めたい場合は、自分が望む仕上がりをイメージしてから、置き時間や染毛の頻度を調整することが重要です。
一般的に、白髪を隠したい場合は美容室で2〜3ヶ月に1回ヘアカラーを行い、週1回のペースで白髪染めトリートメントを使用することがおすすめです。カラー履歴のない髪は染まりにくいため、定期的なヘアカラーの入れ方で染まりやすさと色持ちをアップさせることができます。
一方、白髪をぼかす程度で染めたい場合は、自分が好む仕上がりに合わせて置き時間や染毛の頻度を調整しましょう。ただし、頻繁に染めると髪や頭皮に負担がかかるため、適度な頻度で使用することが大切です。
ヘアカラーはリタッチをお願いするか、メッシュに染めてもらいましょう。白髪が目立ちにくくなるし、髪や頭皮のダメージも抑えることができます。
まずは事前準備から
準備するもの
- 濃い色の白髪染めトリートメント
- ブラシ・ハケ(染毛用コーム)、カップ
- シャワーキャップまたはラップ
- ニトリル手袋※おすすめ
- 汚れても良いタオル
垂れてきたときいつでも拭けるように首元に巻いておきましょう
濃い色の白髪染めトリートメント
しっかり染める下準備として一番重要なのは、「良く染まる、濃い色の白髪染めトリートメント」を選ぶこと。
ブラシ・ハケ(染毛用コーム)、カップ
ブラシは染毛前に髪を梳くのに使います。染毛用コームについているコームで代用できますが、愛用のヘアブラシがあればそちらをご利用ください!
塗布前に髪をといて絡まりをなくしておくと、塗りムラを防ぐことができます。
- 吉田
毛髪診断士
カップはなくても染められますが、ハケを使って塗るなら絶対あったほうが便利です。
美容師が使うものと同じ染毛セットが楽天で1700円程度で販売されているので揃えておきましょう。
100均にも売ってるけど正直ちょっと使いにくいです。
染毛用コームには様々な種類がありますが、ブラシとクシが一緒になったタイプ(左)がおすすめです。
ニトリル手袋
白髪染めトリートメントに付属している手袋は、手にぴったりとフィットしないため細かい部分が塗りにくく、特に生え際部分で塗りムラができやすいという問題があります。
このような場合には、厚みがあり手にピッタリとフィットしてくれるニトリル手袋がおすすめです。髪の細かい部分や生え際部分など、細かい部分にも染料を均一に塗布することができ、塗りムラを防ぐことができます。
ニトリル手袋は通常の手袋よりも耐久性が高いため、複数回使用できるというメリットもあります。
使い捨てのニトリル手袋が100枚1000円程度で売ってあるので、準備しておくと便利ですよ。
使うタイミングはシャンプー前の乾いた髪がおすすめ
画像はレセカラートリートメントを使用した事前シャンプーありなしでの染まり比較です。
比べてみると、シャンプーなし(左)の乾いた髪に使用したほうが良く染まりました。
レセの箱裏に書いてある使い方説明では「シャンプー後の使用」と書いてありますが、シャンプー前の乾いた髪に使用するほうが濃く染まりました。
ヘアオイルやワックスを使用している髪はムラになりやすいので事前のシャンプーが必要ですが、使用していなければシャンプー前に使用しましょう。
事前にシャンプーする場合はしっかりタオルドライして、できれば一旦ドライヤーで乾かしましょう。
白髪染めトリートメントをムラなく塗るコツ
上手に塗るコツ
- ブロッキングの一手間で染めやすさアップ
- ハケを使って塗布。カップを使って効率アップ
- 生え際から順に。白髪が気になる部分にはたっぷりと
- 上下左右に塗り拡げる
- クシで染料をすき取らないように注意
白髪をムラなく塗るためには、「ちょっとしたひと手間」が必要。より効率的にキレイな仕上がりをつくることができます。
ブロッキングのひと手間で染めやすさアップ
髪をブロックごとに分けとる「ブロッキング」をおこなうことで、ムラをなくし効率よく塗ることができます。
ヘアゴムかダッカールを使用して、分け目に沿って左右に、つむじから耳のラインに沿って前後に、さらに後ろの部分を上下2つ、合計4ブロック程度に分けておくと良いでしょう。
生え際から順に。白髪が気になる部分にはたっぷりと
塗る時は生え際の目立つ部分から順に。
生え際や白髪の量が多い部分を先に塗り終わってから全体に塗っていきましょう。
塗布時間が長ければ長いほどよく染まり、薄付きだと染まりが悪くなります。
髪の分け目からつむじにかけて塗っていき、その後ブロックを1つずつほどきながらまんべんなく塗り拡げてください。
後ろのブロックは下から塗り始めるほうが楽です。
ハケを使って塗布。カップを使って効率アップ
塗布する際にはハケを使うと、生え際のキワの部分までしっかり染料を乗せられます。
染料をハケにつけてから生え際に乗せますが、チューブから直接ハケに乗せるのはちょっと面倒です。
カップに出した染料をハケで少しずつ取ると、効率が一気にアップします。
手で塗るよりキレイに塗れるので、ハケとカップは必需品です。
上下左右に塗り拡げる
例えばもみあげ部分を後ろに流すように塗るだけだと、髪の片面しか塗れないので塗り残しが出てしまいます。
もみあげから顎方向にハケを流すことで、塗り残しやムラを防げます。
同じように、頭頂部や後頭部も同じ方向ばかりに塗り拡げるのではなく、さまざまな方向からクシで髪を流しながら、ハケで染料を足していきましょう。
クシで染料をすき取らないように注意
目の荒いクシを使ったり、押さえつけるようにクシを使うと、せっかく髪についた染料をすき取ってしまいます。
クシは髪をかき分けるようにして使い、クシに付いてきた染料は生え際に乗せてハケで塗り直しましょう。
塗ったあとも重要!
- ラップで保温&仕上げの揉み込み
- 放置時間は長くとる
- すすぎはしっかりと
タオルでも代用可!
30分程度がおすすめ
色水が出なくなるまで
髪全体にまんべんなく行き渡ったら、ラップやタオルで保温するのがおすすめ。
キューティクルは温めると開くので、開いた隙間から染料が入りやすくなります。
その後、しっかり染めたければメーカーの推奨時間に関わらず、30分は時間を置きましょう。
ヘアカラーなどは酸化染料とオキシを使用してあるので長時間付けておくと頭皮や毛髪へのダメージやアレルギーの心配がありますが、白髪染めトリートメントは負担が少なく、長時間のせておいてもOKです。
ただし1時間以上など長時間すぎるのはNG。いくら低刺激とは言え、植物エキスや防腐剤など、長時間すぎる付着がダメージになり得る成分が入っていることもあります。
時間を置いたら、軽く揉み込んで髪と染料を馴染ませたあとに、色水が出なくなるまでしっかりすすぎましょう。
すすぎ後のケアは優しくスピーディーに
- すすぎ後すぐに汚れても良いタオルで押さえ拭き
- ドライヤーは上から下に!頭皮までしっかり乾かす
- 使い始めは3日ほど連日使用する
すすいだら、なるべく早くなるべく早くタオルドライしましょう。
髪は濡れた状態で開く性質を持っているので、なるべく早く水気を切ることで髪の中に染料を留められます。
地肌から髪全体までしっかりタオルドライしたら、ドライヤーで乾かします。
最初は連用。シャンプーを挟まず、染毛→すすぎ→乾燥→染毛と繰り返すとOK。
色持ちを良くするドライヤーの使い方
使用順序
- まず全体の頭皮を強温風で乾かす
- 弱温風で毛先に向かって風を当て乾かす
- 冷風でキューティクルを締める
まず全体の頭皮を強温風で乾かす
髪は根本が乾きづらいので、頭皮を乾かすイメージで強風を当て、その流れで髪全体を乾かしていくと良いです。
逆に毛先は乾きやすいので、先に乾かしてしまうとパッサパサの仕上がりになっちゃいます。
ダメージを受けた髪はキューティクルが開いてしまうので、色は入りやすくなるけど色持ちが悪くなってしまいます。
弱温風で根本から毛先に向けて風を当てて乾かす
強風で8割程度乾かしたら弱温風にチェンジ!弱温風でヘアスタイルを整えながら整えていきます。
ポイントは、毛先に向かって風を当てること。キューティクルは毛先に向かって重なっているので、逆向きに風を当てると開いてしまいます。
最後に、冷風をあててキューティクルを締めてあげると完成です。
念のため、枕カバーを色の濃いものに変えておくか、色が付いても良いタオルで巻いてから使ってくださいね。
まとめ
- 商品選びが何より重要!
- 下準備のひと手間で効率アップ
- 塗り方のコツは「キューティクルの性質を意識する」
- 塗るだけでなく、塗ったあとも重要!
- しっかり染めたければ2〜3ヶ月に1回ほど美容院でヘアカラーを!
頭皮や髪に優しい白髪染めトリートメントは、未来の自分のためにもぜひ活用していきたいアイテム。
ですが、メリットがあればデメリットもある商品なので、特性を活かして正しく賢く使いたいですね。
白髪染めトリートメントの『メリット・デメリット』でも説明しているので、白髪ケアに役立ててもらえると嬉しいです!
roccoGiRLでは、40商品を超える白髪染めトリートメントと15商品を超える白髪染めシャンプーを全品人毛毛束でテストしています。
商品選びの参考にしていただけると幸いです。
●毛髪診断士:日本毛髪科学協会会員
●化粧品成分上級スペシャリスト
●YMAA(薬機法医療法認証)取得者
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