シワ改善の有効成分は全5種類!シワに効く成分の違いや効果を専門家が解説します

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少し前まではレチノールとナイアシンアミドが注目されていましたが、最近になっていくつか新成分が承認されたこともあり「シワ改善が認められた成分って今どれくらいあるの?」と疑問を持っている人も多いでしょう。

そこで今回は最近承認された新成分も含め、シワ改善ができる有効成分全5種類を紹介します!

シワ改善を認められた有効成分は全部で5つ

シワ改善の商品写真

シワ改善の承認を得た有効成分

  1. ナイアシンアミド
  2. レチノール
  3. ニールワン
  4. VEP-M
  5. ライスパワー®No.11+

シワ改善の有効成分は現在5つ。

5種類はそれぞれシワ改善の有効性を認められるほか、美白や水分保持能改善などその他の効果を認められているケースもあります。

各成分の開発企業と承認年を一覧でまとめてみました。

成分名 開発 溶解性 承認年 効果 刺激性
ニールワン ポーラ 水溶性 2016年7月 高い なし
ナイアシンアミド KOSE 水溶性 2017年(推定) 穏やか なし
レチノール 資生堂 油溶性 2017年2月 高い あり
VEP-M メナード 両親媒性 2021年2月 高い なし
ライスパワー®No.11+ 勇心酒造 水溶性 2023年6月 中間 なし

シワ改善の先駆けとなったのはニールワン。そのあとにナイアシンアミドやレチノールが続き、2023年に一気に二種類の成分が追加されました。

【ナイアシンアミド】低刺激&美白効果も発揮する優秀成分

ナイアシンアミド見出し

成分名 ナイアシンアミド
※リンクルナイアシン
開発 KOSE株式会社
承認日 2017年(推定)
シワグレード
有効性 美白効果、シワ改善
作用 ナイアシンアミドのシワ改善メカニズムは現在も明確にされていない。コラーゲンの合成促進に特異性があり、この作用によるものである可能性があるとされる
メリット 20年以上の使用実績がある。美白有効成分でもある。皮膚刺激がほぼない。色々なメーカーで使える
デメリット 作用が未だ不明。効果が穏やか
皮膚刺激性 ほとんどなし

ブランドを問わず使用できるメジャーなシワ改善成分

ナイアシンアミド解説

引用元:有効成分ナイアシンアミド配合! 24 時間いつでも使えてハリツヤ肌に

5つのシワ改善成分のなかで最も配合製品が多く、ポピュラーな成分といえばナイアシンアミド。

ニコチン酸アミドとも呼ばれ、2007年にはP&Gの申請によって美白有効成分としても認められています。

シワ改善・美白効果・肌バリアケアもできるコスパの良さ

有効性を認められているのは「シワ改善」「美白効果」ですが、セラミド合成促進による肌バリアのケアなども可能で、皮膚刺激もほとんどなく敏感肌でも使用できる成分と言えます。

デメリットとしては、未だ明確なシワ改善メカニズムは発表されておらず、効果も他成分に比べて比較的穏やかなところです。

色々な効能効果を持ちながらも低刺激なうえに価格も安い配合製品が多いため、シワ改善アイテムを初めて使う人や不安定な肌状態でも使用ができます。

こんな人におすすめ
肌が弱い人。予防に使いたい人。美白効果も欲しい
こんな人には向かないかも
すぐにでもシワ改善したい人

【レチノール】毛穴やハリ不足などエイジングケアの味方

レチノール見出し

成分名 レチノール
開発 株式会社資生堂
承認日 2017年2月
シワグレード 4
有効性 シワ改善
作用 ヒアルロン酸の産生を増加させることで皮膚に柔軟性を与えてシワを改善する
メリット 比較的短期間でシワ改善が見込める。キメや毛穴などにも効果的
デメリット 皮膚刺激が発生しやすい。使えるのが資生堂のみ
皮膚刺激性 あり

有効成分として配合できるのは資生堂だけ!他の成分より高い効果を発揮

レチノールシワ改善シワグレード解説写真

引用元:有効成分レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得

資生堂が開発した純粋レチノールは、配合製品を約9週間使用することでシワグレード4(明瞭な浅いシワの中にやや深いシワが僅かに認められる)レベルの深いシワを改善する有効性が認められた成分です。

ナイアシンアミドに次いで有名なシワ改善成分と言えますが、実は「シワ改善」を謳えるのは資生堂の製品だけであり、他ブランドの製品は有効成分としての配合は認められていません。

POINT

資生堂は独自研究による製剤化技術を応用し、壊れやすいレチノールを分解させることなく安定的に配合・製造することに成功。開封しても空気中の酸素に触れない特殊な独自の容器を採用することで酸化を防いでいます。

副作用が懸念点。A反応で皮剥けや乾燥を引き起こすケースも

効果はナイアシンアミドよりも比較的高く、試用期間も約9週間で効果が出るとの結果に。ただし、皮膚刺激が強い成分でもあるため、肌質によってはA反応と呼ばれる副作用が懸念されます。

ターンオーバー促進の効果があるため、毛穴やニキビ跡などにも効果を発揮する反面、初めて使うときは赤みや皮剥けが起きやすい傾向に。

初回はパッチテストや顔の側面での試験的な使用などが推奨されています。

さらに、日本製においてはレチノールの配合量は250,000IUまでと定められており、これは配合量にすると約0.04%。

韓国製品などではこの決まりがなく、より高濃度な製品を入手することはできますが、高濃度レチノールはほとんどの場合副作用が出るため初めて使う人や敏感肌は注意しましょう。

こんな人におすすめ
高い効果がほしい。肌が強い。毛穴悩みがある
こんな人には向かないかも
肌が弱い人

【ニールワン】日本で初めてシワ改善の効果を認められた新規成分

ニールワン見出し

成分名 ニールワン
※三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na
開発 ポーラ
承認日 2016年7月
シワグレード 3~5
有効性 シワ改善
作用 好中球エラスターゼ活性阻害による抗シワ作用によってシワを改善する
メリット 他の成分とはアプローチが異なる。皮膚刺激性が低い
デメリット 伸ばしにくい。価格が高い。実績や副作用が未収集
皮膚刺激性 ほとんどなし

アミノ酸誘導体からなる日本初のシワ改善成分

ニールワンシワ改善効果解説シワグレード写真

引用元:史上初!「シワを改善する」効能医薬部外品 ポーラ化成工業が製造販売承認を取得

ニールワンはPOLAが開発した日本初のシワ改善成分です。バリン・プロリン・バリン・グリシンの順で構成された4つのアミノ酸誘導体から構成されており、正式名称は「三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム」と言います。

コラーゲン生成へのアプローチ成分が多いなか、ニールワンは好中球エラスターゼの働きを抑制することによってシワの原因となる真皮成分の分解を抑制する作用を持ちます。

シワ改善の効果試験では、配合製品を約4週間使用することでシワグレード3~5に相当するシワを改善することができたと言われています。

最終的な試験結果では8週間使用することで、より効果を認める結果に。

比較的肌に刺激はなく低刺激なため、どんな人でも使用できるのが特徴です。

新規成分で配合製品が少なくデータ不十分な一面も

今現在ニールワンが配合されている製品はPOLAのリンクルショットメディカルセラムのみとなっており、かなり高価な部類になっているためコスパの良さで選びたい人には不向きと言えます。

また、他の成分とは異なりニールワン自体が新規成分ということもあって研究結果や使用実績が少ないのもデメリットのひとつです。

こんな人におすすめ
とにかく高い効果を求める
こんな人には向かないかも
価格を気にする人

【VEP-M】安定化ビタミンE誘導体とも言われ最もパワフルな効果を発揮する

VEP-M見出し

成分名 VEP-M
※dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM
開発 メナード
承認日 2021年2月
シワグレード 4.5
有効性 シワ改善
作用 表皮のうるおい成分であるセラミドとヒアルロン酸を生み出して表皮を柔軟にしシワを改善する
メリット 皮膚にやさしい。まだ珍しい成分
デメリット 価格が高い。メナード公式製品は店舗販売のみ
皮膚刺激性 ほとんどなし

長い研究期間を経て約4年ぶりに新規のシワ改善有効成分として登場

VEP-Mシワ改善グレード解説写真

引用元:日本メナード化粧品、“シワを改善する”安定化ビタミンE誘導体で医薬部外品の新規有効成分としての承認を取得!

VEP-Mの開発会社は、日本メナード化粧品株式会社。長い間新規のシワ改善成分は承認されておらず、約4年ぶりの新規成分となりました。

メナードは1960年代からシワ関連の研究開発に着手し、光老化(紫外線による老化)の研究やコラーゲンの立体構造研究など、様々なシワに関する研究を重ねてきました。

シワができるメカニズムを研究し従来成分よりもパワフルなアプローチができるVEP-Mを開発

シワの原因でもあるコラーゲンの減少が、紫外線や活性酸素により表皮で発生する物質GM-CSF*にあることに着目。GM-CSF*が真皮の線維芽細胞に作用することで、コラーゲンが分解されシワになると突き止めました。

  • 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子:炎症性物質の一種

VEP-Mは、表皮において水分を掴む役割を果たす「セラミド」と、水分を保持する働きを担う「ヒアルロン酸」の産生を促進。肌の水分量を増加させて柔軟性を高めることでシワを改善します。

試験では約12週間の使用によって目尻の深いシワが顕著に改善されたことが確認されています。

現在では配合製品も少なく、入手方法も若干困難なこともあり、この5種類のなかでは一番情報が少ない成分です。

こんな人におすすめ
レチノールよりも効果に優れる
こんな人には向かないかも
コスパ重視の人

【ライスパワー®No.11+】水分保持能改善の有効成分が進化!史上初のダブル改善成分

ライスパワーNo11+見出し

成分名 ライスパワー®No.11+
開発 勇心酒造
承認日 2023年6月
シワグレード 3~5
有効性 水分保持能の改善、シワ改善
作用 基底膜を構成する主成分であるコラーゲンの量を増やしてシワを改善する
メリット 水分保持能改善も可能。表皮、基底膜、真皮の3つにアプローチ
デメリット 配合された製品が少ない
皮膚刺激性 ほとんどなし

水分保持能改善のライスパワー®No.11が進化しW改善の有効成分として承認

天然由来の乾燥肌改善成分と名高いライスパワー®No.11の持つ「肌の水分保持能改善機能」効果に加えて、新たに「基底膜のコラーゲン産生促進」と「表皮の健全な状態を維持する」という効果を加えたのがライスパワー®No.11+です。

ライスパワーNO11+肌イラスト

引用元:エイジング悩みまでも救う史上初のダブル改善有効成分が誕生!

基底層・表皮・真皮に対し、4つのアプローチを行うことで、ダブル改善を実現。
「①基底層のコラーゲン増加」「②表皮ダメージへの防御力向上」「③表皮のセラミド・ヒアルロン酸・NMF増加」「④真皮コラーゲンの増加効果」を発揮します。

これらの効果により、シワレプリカ機器評価で深いシワの改善とシワ総体積の減少が認められ、目視評価でもシワの改善が認められました。

「表皮・基底層・真皮」の三箇所にはたらきかけることができ、シワ改善をする有効成分は現在ライスパワー®No.11+だけとされます。

表皮 セラミド産生促進
NMF産生促進
表皮ヒアルロン酸産生促進
基底層 コラーゲン分解を防ぎ増加させる
真皮 コラーゲン分解を防ぎ増加させる

表皮でセラミド産生促進+基底層&真皮でコラーゲン増加をすることで、年齢とともに減少するハリ感を引き出しシワのない肌へと導きます。

POINT

シワ改善と水分保持能改善という「改善」効果を2つ持つ成分も日本でライスパワー®No.11+のみです。

副作用や刺激性が低く高保湿な天然由来成分

また、副作用が懸念されるレチノールなどと比較して、天然由来成分なうえに水分保持能改善までできる低刺激成分なので皮膚刺激性はほとんどありません。

もととなる成分のライスパワーNo.11自体が20年以上の使用実績があり、重大な皮膚感作の報告もないことから、安全性も裏付けされていると考えられます。

敏感肌などでも使用を検討できるやさしさと、肌がうるおう力である皮膚水分保持能改善の効果を備えているところが、他の成分にはない魅力です。

こんな人におすすめ
乾燥肌や敏感肌。高保湿化粧品を使いたい人。天然成分を使いたい
こんな人には向かないかも
アレルギー体質の人。ライスパワー®No.11が合わない人

シワ改善成分の違いを簡単に比較!選ぶときはここをチェック

シワ改善成分全5種類を簡単に比較してみました。シワ改善以外の効果効能や肌状態などで検討してみるのがおすすめです。

成分名 その他の効果 価格帯 おすすめな人
ニールワン 高い 表情ジワが気になる人
ナイアシンアミド 美白効果 低い 敏感肌
シワ予防をしたい人
レチノール 中間 ハリ感やツヤがほしい人
VEP-M 美白
肌荒れ防止
高い 乾燥肌や敏感肌
ライスパワー®No.11+ 水分保持能改善 中間 肌の水分不足が気になる人

どんなときにどの成分を選ぶ?

求める効果や肌状態で選ぶなら…

  • ほうれい線など表情のシワが気になるなら「ニールワン」
  • コスパの良さや求め安さで選ぶなら「ナイアシンアミド」
  • とにかく高い効果がほしいなら「レチノール」
  • 色々な効果がほしい、安定性を選ぶなら「VEP-M」
  • 保湿力や低刺激性で選ぶなら「ライスパワー®No.11+」

とにかく低刺激や初めて使うという人は、まずナイアシンアミドから使ってみましょう。配合製品が多く選択肢が広いのも特徴で、5種類のなかでは最もブランドを問わず使用することができます。

深いシワを改善したい!という人は真皮までアプローチできるパワフルな成分を選ぶのがおすすめ。ナイアシンアミド、ニールワン、ライスパワー®No.11+が真皮までアプローチ可能な成分です。

他の効果もほしい欲張りな人は、ライスパワー®No.11+・VEP-M・ナイアシンアミドを検討してみるのが良いでしょう。それぞれ美白や水分保持能改善など、シワ改善以外にも優秀な効果を持っています。

参考文献
【シワ形成メカニズムと抗シワ製品】楊 一 幸
有効成分レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得2017-2 株式会社資生堂
コンドロイチン硫酸がシワ改善有効成分「ニールワン」の働きを高める【皮膚のコンドロイチン硫酸を増やすことでシワ対策がより効果的に】2020年10月8日 ポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)
日本メナード化粧品、“シワを改善する”安定化ビタミンE誘導体で医薬部外品の新規有効成分としての承認を取得! 日本メナード化粧品株式会社
エイジング悩みまでも救う史上初のダブル改善有効成分が誕生!ライスパワー®No.11の進化版「ライスパワー®No.11+(プラス)」2023年 6月 勇心酒造株式会社

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